マーサ、あるいはマーシー・メイ
MARTHA MARCY MAY MARLENE

2013年2月23日シネマート新宿・心斎橋ほかロードショー


■ストーリー
　ニューヨーク州北部、キャッツキルの山にある農場で牧歌的な共同生活が営まれている。いつものように静かな1日が明けようとしていた朝、寝静まった農場からマーサはこっそり逃げ出した。取り乱して公衆電話から電話をかけたのは、しばらく音信を絶っていた姉のルーシーだ。ルーシーは久しぶりに聞く妹の声に異常を察し、すぐに車で迎えに来てくれた。

 

　2年前、孤独だった彼女はカルト集団に家族の愛情を求め、マーシー・メイという新しい名で過ごす共同生活に初めて安らぎを感じていた。しかし今は何かに脅えている。姉夫婦の湖畔の別荘に身を寄せ、安全な場所で暮らしていても、心にはカルト集団での記憶がよみがえる。自給自足の日々、リーダーから捧げられた歌、そして“浄め”の儀式――マーシー・メイの妄想がやがてマーサの現実の世界を少しずつ侵してゆく……。

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■プロダクション・ノートより

監督：ショーン・ダーキン インタビュー

理想郷のようで家族的なアメリカのカルトのパワーと誘惑力にずっと興味を持っていました。映画化を決意したのは、徐々に暴力化する集団を去った少女の手記に触れたことがきっかけです。そんな私に、ある女友達が意を決して脱カルトの体験談を打ち明けてくれたのです。あまりに痛々しく悲しい彼女の話にショックを受けてからは、脱走直後の数週間を意識するようになりました。カルトは普通、極端に誇張されセンセーショナルに扱われがちですが、私は、個人の視点から探求したいと考えました。

■監督：ショーン・ダーキン
29歳でサンダンス映画祭の監督賞を受賞。カンヌ国際映画祭でも〈若者の視点〉賞を受賞した。
ダーキンは、ニューヨーク大学（NYU）2年生だった2003年にカンポス、モンドと3人で “Borderline Films”を設立。アートとコマーシャルに境界は存在しないという信条のもと、互いの監督作品を各方面からサポートし合う。イギリスのChannel 4の新作ドラマ「Southcliffe」の監督。本作で長編デビューを果たした。Borderline Films での監督第2作としては、ジャニス・ジョプリンの最後の6ヶ月を描く映画「Janis」が2013年クランク・イン予定。


■スタッフ
監督・脚本：ショーン・ダーキン
撮影：ジョディ・リー・ライプス
美術：チャド・キース
衣装：デヴィッド・タパード
編集：ザック・スチュアート
キャスティング：スーザン・ショップメイカー
音楽：サウンダー・ジュリアンズ、ダニー・ベンシ
製作総指揮：テッド・ホープ