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ビル・カニンガム&ニューヨーク
Bill Cunningham New York

2013年5月18日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー


■ドキュメンタリー
  ビル・カニンガム、84歳。ニューヨーク・タイムズ紙の人気ファッション・コラム「ON THE STREET」と社交コラム「EVENING HOURS」 を長年担当するニューヨークの名物フォトグラファー。
  ニューヨークの街角で50年以上にもわたりファッション・トレンドを撮影してきた。彼自身については謎につつまれており、親しい業界人でさえ彼のプライベートを知る者はほとんどいない。

 雨の日も風の日もニューヨークのストリートに自転車で繰り出してはファッションスナップを撮り続け、夜になればチャリティーパーティーや社交界のイベントに出かけて行き、ときにはパリのファッション・ウィークにも遠征し撮影する。

 


■キャスト
ビル・カニンガム
アナ・ウィンター
カルメン・デロリフィチェ
トム・ウルフ
エディッタ・シャーマン
パトリック・マクドナルド、ほか
 



       

 

 コーヒーは安ければ安いほど美味しいと言い、ニューヨーク・タイムズ紙の写真家としての客観的な立場を保つために、パーティー会場では水一杯すら口にしない。50年以上暮らしていたカーネギーホールの上のスタジオアパートの小さな部屋は、今まで撮影した全ネガフィルムが入ったキャビネットで埋め尽くされている。キッチンもクローゼットさえもない。仕事以外のことには全く無頓着で質素な生活ぶり。

 2008年にフランス文化省から芸術文化勲章オフィシエを受勲した際のパーティーで、「私のしていることは仕事ではなく喜び」と語ったカニンガム。ニューヨークという街で生きるカニンガムと、彼の周囲の人物たちを温かい目線で映し出している。


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■プロダクション・ノートより

リチャード・プレス監督による記録
高名な、けれども誰も知らないビル・カニンガムという人物像を記録することの決意
『ビル・カニンガム&ニューヨーク』の制作期間を尋ねられると、私は10年と答えます。それはビルを説得するのに8年! 撮影と編集に2年かかったということです。・・・

ビルは撮影されることに全く乗り気ではなかったため、撮影方法は自ずと決まってきます。カメラクルーや録音技師、ブーム・オペレーターなどを配置することはまず無理です。よって、彼自身が被写体をとらえるときの方法と同じ方法で彼を撮影する必要がありました。つまり「控え目に、静かに、我々の存在を消して撮影すること」です。そのような理由で我々は大掛かりな撮影クルーを排し、手持ちの小さなホームカメラのみで撮影することにしました。彼が信頼する人間のみで撮影を敢行することで、家族のような関係を築きあげる必要があったのです。 私、プロデューサーのフィリップ・ゲフター、そしてビルと親しいニューヨーク・タイムズ紙のカメラマンのトニー・セニコラだけでこの映画を作ることになりました。

ビルを撮影するために、事前にスケジュールを組むことは一切できません。いつでも撮影できるように、我々は連日、ニューヨーク・タイムズ社でカメラを準備して待機するのみです。それは、何が待ち受けているのか全く先入観を持たずに、ビルがストリートに飛び出していくのと同じ方法です。ビルは「街が語りかけてくるのを待つ」と言いますが、我々も同じアプローチをとる必要があると考えました。時間の経過とともに、その人物像と映画の物語が明らかになることを信じて─。

ビル・カニンガムとは?
1929年生まれ。本名 ウィリアム J.カニンガム。1948年ハーヴァード大学を中退、ニューヨークへ渡り、広告業界に就職する。その後、“William J.”のブランド名で帽子作りを始め、カーネギーホールのスタジオに帽子サロンを開く。一時兵役に召集されるが、その後またニューヨークに戻り、シカゴ・トリビューン紙でファッションに関する記事を書き始める。アズディン・アライヤやジャン・ポール・ゴルティエといったブランドをアメリカに紹介するのに一役買い、ファッション・ジャーナリズムに影響を与えた。

同時期にニューヨークのストリートファッションの撮影も始める。ある日、伝説の大女優グレタ・ガルボの姿を偶然ストリートで撮影したことがきっかけで、一連のスナップ写真を1978年12月ニューヨーク・タイムズ紙で発表し、注目を集める。このことが現在の名物コラム「ON THE STREET」を始めるきっかけにもなった。
当時の担当編集者アーサー・ゲルブは、彼の写真を「タイムズ紙のターニングポイントになった」と称した。

ニューヨークで連日、ファッショナブルな人をみつけては写真を撮り続けているカニンガムについて、デザイナーのオスカー・デ・ラ・レンタは「彼ほど過去40〜50年間のニューヨークのビジュアル・ヒストリーを撮り続けている人間はいない。ニューヨークのファッション・カルチャーの全貌を彼はとらえている」とコメントしている。米版ヴォーグ誌編集長アナ・ウィンター曰く「私たちは毎朝、ビルのために着るのよ。」

(プレス資料より)

 

 









■監督:リチャード・プレス
カリフォルニア大学バークレー校卒。脚本、監督を務めた短編映画『2÷3』がベルリン国際映画祭で審査員賞を受賞。
ほかには脚本、監督を務めた『Rambles』と『Expecting』がある。サンダンス・インスティテュートの脚本家・監督ラボで企画開発された映画プロジェクト『Virtual Love』は2005年サンダンス映画祭でサンダンス・NHK国際映像作家賞を受賞。
現在は、脚本、監督を務める建築家ミース・ファン・デル・ローエと彼の顧客エディス・ファーンズワースとの恋愛スキャンダルを描いた映画の準備中。本作『ビル・カニンガム&ニューヨーク』が、長編初監督作品。


■スタッフ
監督:リチャード・プレス
撮影:トニー・セニコラ、リチャード・プレス
タイトル・デザイン&写真アニメーション:キーラ・アレキサンドラ
編集:ライアン・デンマーク、バリー・アレキサンダー・ブラウン
製作:フィリップ・ゲフター

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.bcny.jp/

(C)The New York Times and First Thought Films.


原題:Bill Cunningham New York
2010年/アメリカ/英語/84分/1.78:1
日本語字幕:大西公子
配給:スターサンズ、ドマ