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パパの木
THE TREE

2013年6月1日(土)、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー


■ストーリー
 オーストラリアの大自然の中、庭に大きなイチジクの木が立つ家で、ドーンとピーターは4人の子供たちと暮らしていた。ところがある日、ピーターが、長期の仕事からの帰りに、心臓発作を起こして死んでしまう。最愛の夫を亡くしたドーンは、喪失感から、思考が停止してしまい、子供たちの世話どころか日常生活もままならない。高校生の長男は、亡き父の役目を果たそうとアルバイトを始める。そして8歳の末娘シモーンは、死の意味さえ理解できず、父親が死んだ時にぶつかった庭の木にパパがいると、木とおしゃべりを始める。

  シモーンは、なかなか立ち直れない母親を元気付けようと、木にパパがいるという『秘密』を教えてあげるのだった。初めは真に受けないドーンだったが、木に導かれるるように話しかけるようになり、徐々に心の落ち着きを取り戻していく。

 


■キャスト
シャルロット・ゲンズブール
マートン・ソーカスジョージ
モルガナ・デイヴィス
エイデン・ヤング
 






       

 

 ようやく動き出した母親、ドーン。これまで働いたことなどなかった彼女が、自分で働き口を見つけてくる。更に、その雇い主のジョージと関係が親密になり、明るさを取り戻していく。しかし、一方で、これまでやさしく家族を見守っていた庭の木が、急激に成長しだしたかのように、家を包み込むくらい根や枝を張り巡らせる。そして太い枝が折れて、ドーンの寝室を壊してしまう。まるで、ドーンの気持ちを読み取っているかのように反応をみせる木の姿は、お隣の奥さんが言うように、もはや単なる木ではなく、生きているようであり、夫の執念とも取れるのだった。

 シモーンは、ドーンがジョージと仲良くするのが気に入らない。女として再び花を咲かせようととする母親の気持ちを敏感に感じ取り、その抵抗から、木の上で生活を始めるのだった・・・


※   ※   ※

 

       
 






       


■プロダクション・ノートより

ジュリー・ベルトゥチェリ監督 インタビュー

かねてから、イタロ・カルヴィーノの「木のぼり男爵」を映画化したいと思っていたのですが、それが実現できないことがわかって、木に関する物語を探し始めたんです。その思いは、私の中で執念になっていきました。そんな時、いとこがジュディ・パスコーの『パパの木』をくれたんです。まさに啓示でした。物語の中心となる木に、火をつけられたような感じです。その本は読んでるうちから、映画をイメージできるほど、私に強烈なひらめきを与えてくれたのです。

この映画は、おとぎ話でもなければティム・バートンが描くような空想の世界でもありませんし、辛くて重い悲劇とも違います。原作本は、子供の視点で物語が描かれていましたが、私はそこに母親の視点を加えました。原作の物語を発展させ、やさしさとユーモアの溢れる大人のための物語を作りたかったからです。また同時に、現実と純真さの間に根付く超自然的な世界の可能性をこの映画で探ってみたいと考えました。


 

 









■監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
1968年フランス生まれ。クシシュトフ・キシェロフスキ、ベルトラン・タヴェルニエ、オタール・イオセリアーニ、リティー・パニュ、エマニュエル・ファンキエルらの助監督を務めた。ドキュメンタリー作品をいくつかとった後、『やさしい嘘』で長編劇映画監督デビュー。2004年カンヌ国際映画祭、国際批評家週間でグランプリ、セザール賞最優秀作品賞受賞。本策は長編2作目。


■スタッフ
監督・脚本:ジュリー・ベルトゥチェリ
原作:ジュディ・パスコー
撮影:ナイジェル・ブラック
美術:スティーヴン・ジョーンズ=エヴァンス
衣装:ジョアンナ・マエ・パーク
音楽:グレゴワール・エッツェル

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://papanoki.com/

(C) Baruch Rafic-Les Films du Poisson/ Taylor Media-tous droits reserves-2010

原題:The Tree
2010年 /100分 /オーストラリア、フランス
日本語字幕:古田由紀子
配給:エスパース・サロウ