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ニ―ナ ローマの夏休み
Nina

2013年8月10日、新宿シネマカリテにてロードショー


■ストーリー
 ギラギラと照りつける太陽、普段は喧騒の街ローマだが、8月はになると皆バカンスに出かけてしまい、人影はまばら。その中にニーナがいる。30歳にはまだ遠く、郊外の小さな学校で音楽教師をしていたが、外国で新しい生活を始めるという希望を持っていた。留学試験のためにローマに残って勉強しなければならない。学期末の音楽会が終わり、休みに入った今、ニーナが生徒たちに会うことはもうない。新学期が始まる秋には、新たな生活が始まる。

 すべては親友の頼みごとから始まった。両親の留守中に老犬オメロの面倒を見てくれと言うのだ。頼みを引き受けたニーナは、ローマ郊外、近代的な街並の続くエウルにある家で暮らすことになった。だがそこは街並みとは不釣合いなほど、人影が少ない。何もかもが静止していて砂漠のように広く感じられる。

 


■キャスト
ディアーヌ・フレーリ
ルカ・マリネッリ
アンドレア・ボスカ
エルネスト・マイエ
ルイジ・カターニ
 




       

 

 ナポリ生まれの研究者デ・ルーカ教授、風変わりな子供管理人エットレ、犬のオメロ、内緒で歌のレッスンをしているマルタ、そして偶然出会ったチェリストのファブリツィオ。時には偶然に、あるいは意図的に彼らはニーナを現実と幻想の狭間のような空間に誘う。そこで彼女は自分でも意識していなかった漠然とした将来への希望や恋愛への不安に気づき始めていた。そして、自分自身と世界とのつながりをを愛おしく感じ始めていた・・・

※   ※   ※

 

       
 




       

■プロダクション・ノートより

監督:エリザ・フクサス インタビュー

北京への留学を控え、他人の家の動物を預かるアルバイトをしながらひとりで夏休みを過ごす学生ニーナの見る世界を描く。撮影は、近代建築が立ち並ぶローマ近郊の街エウルで行われた。建築物と空間を独自の感性で切り取った映像は、1シーン1シーンがインスタレーション作品のように美しい。

取材に入るやいなや記者は監督本人から「この作品の欠点は?」と問われた。
欠点だとは思わないが主人公の心情の移り変わりよりも、映像の美しさに目が行ってしまったと正直に話すと、

「そう、この作品では美を追求したのです。美しいものを見たいという気持ちは一種の麻薬のようなものなので、どうしても物語に勝ってしまうことがあるかもしれません」と説明する。 レイモンド・カーバーの短編のようなミニマリズムを好むといい、本作も79分と短く、ドラマチックな表現はいっさいない。

「小さい世界の中で、強い感情も接触もなく、ニーナの感情はフィルターを通したような感じで描いています。一般的にイタリア人は強い感情でぶつかっていくタイプなのでこの作品とは正反対です。ですからイタリアよりも日本に居場所がある映画だと思っていました。ローマでなく、東京の映画祭に参加しているのも偶然ではないと思います」。

「幼い頃、親に黒澤の映画を見せられて育ちました。『夢』の狐の嫁入りのシーンがとても強く印象に残っています。今回の作品で熊のお面を使いましたが、どこかしら影響されているのかもしれませんね」。

(プレス資料より)

 

 









■監督:エリザ・フクサス
1981年ローマ生まれ。好きな監督はデヴィッド・リンチとフェデリコ・フェリーニ。 大学では建築学を専攻。卒業後、ニューヨークで映画制作と脚本のワークショップに参加。2006年よりミュージックビデオやドキュメンタリー、短編映画などの脚本・演出を手掛ける。父のマッシミリアーノ・フクサスは世界的に知られた建築家。『ニーナ ローマの夏休み』(2012)は、初長編監督作品。



■スタッフ
監督・原案・脚本:エリザ・フクサス
脚本:バリア・サンテッラ
撮影:ミケーレ・ダッタナスィオ
美術:カーマイン・グァリーノ
衣装:グラツィア・コロンビーニ
編集:エレオノーラ・カオ、ナタリー・クリストィアーニ
音楽:アンドレア・マリアーノ
製作:シルヴィア・イノチェンティ、ジョヴァンニ・サウリーニ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
:http://uplink.co.jp/nina/

(C) 2012 Magda Film, Paco Cinematografica

原題:Nina
2012年 /イタリア/デジタル /78分
日本語字幕:岡本太郎
配給:パンドラ