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熱波
TABU

2013年7月13日(土)より、シアター・イメージフォーラム他全国順次公開


■ストーリー
第1部 「楽園の喪失」
 ピラールは定年後の数年間、世の中を真っ当にしようとしたり、他人の罪に向きあったりして過ごしているが、ここ最近はそのせいでストレスがたまっている。平和の祈りに参加したり、カトリック「の社会活動団体に協力したりする彼女は、リスボンでのキリスト教集会のためにやってきた若いポーランド人女性を家に宿泊させようとして迎えに行った空港で、泊まるのを拒まれたり、家に遊びに来るかもしれない友人に気を使って絵をかけたりはずしたりするのだった。

 彼女は孤独な隣人、アウロラに悩まされていた。アウロラは短気でエキセントリックな80代の老女だが、お金ができればカジノへ入り浸り、会ってはくれない娘の話をしてくるのだった。
ある時、病に倒れたアウロラは、ピラールとメイドのサンタにお願いをし、二人はそれを叶えるために奔走する。すでに長く生きられないことを悟ったアウロラは、消息不明のベントゥーラという男に会いたいと言い出した。ベントゥーラを探し当てると、彼は50年前におきたことを語り始める・・・

 


■キャスト
テレーザ・マドルーガ
ラウラ・ソヴェラル
アナ・モレイラ
エンリケ・エスピリト・サント
カルロト・コッタ
イザベル・カルドーゾ
イヴォ・ミュラー
マヌエル・メスキタ
 




       

 

第2部 「楽園」
 アウロラの父親は、アフリカで事業を起こそうとポルトガルを出てタブー山麓にやってきたが、若くして脳卒中に倒れた。母親は彼女を産んですぐに他界していた。一人残った彼女は、お手伝いと家庭教師とともに暮らし、夢見がちな毎日を過ごしていた。大学の卒業パーティで夫と出会い結婚、何不自由ない生活を送っていた。

 しかしある日、流れもの的にアフリカにやってきたベントゥーラと出会うと、彼女の心の奥底にあった冒険心の炎が燃え上がる。また、ベントゥーラも一目で彼女の魅力に惹かれ、夫がいる彼女の虜になってしまう・・・


※   ※   ※

 

       
 




       


■プロダクション・ノートより

監督:ミゲル・ゴメス  インタビュー

本作は時間の流れ、消えてしまったもの、記憶、幻想、亡霊といったイメージの中でしか存在しないもの、あるいはそういったものが集まった映画の中でしか存在しないもの、についての映画です。映画の中では、大きな省略があり、私たちは50年前にまでさかのぼります。
老人から若いころへ、、過去の遺物や罪の時代から非道の時代へ、ポスト植民地社会から植民地社会へ。これは消滅してしまったものについての映画です。たとえば死んだ人、消滅した社会、その時に生きていた人々の記憶の中にしか存在しない時代などです。
私は、死に絶えた映画とこういったものを結びつけたかったのです。私たちは映画をモノクロフィルムで撮ることにしました。それは消える危機に瀕しているものです。現代のパートは35ミリでアフリカのパートは16ミリで撮影しました。なぜ前半はカラーではないのかと、よく聞かれるのです。過去はモノクロで、現代はカラーだという、ばかばかしい慣習があるせいですね。もし第二部がいわゆる“時代物”ではないかというと、そうとも限らないと思うんです。


 

 









■監督:ミゲル・ゴメス 
1972年、ポルトガル、リスボン生まれ。リスボン映画演劇学校で学んだ後、1996年から2000年まで映画評論を執筆していた。初長編映画は『THE FACE YOU DESERVE』(2004)。2作目の長編『私たちの好きな八月』は40以上の国際映画祭に出品され、12以上の賞を受賞した。三作目となる本作『熱波』はベルリン国際映画祭でアルフレッド・バウアー賞、国際批評家連盟賞を受賞し、45カ国以上で公開されている。


■スタッフ
監督・脚本・編集:ミゲル・ゴメス 
共同脚本:マリアナ・リカルド
撮影:ルイ・ポッサス
衣装:シルビア・グラボウスキ
編集:テルモ・シューロ
音楽:ヴァスコ・ピメンテ
製作:サンドロ・アギラール、ルイス・ウルバノ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.neppa.net/

(C)O SOM E A FÚRIA, KOMPLIZEN FILM, GULLANE, SHELLAC SUD 2012

原題:TABU
2012年/118分/B&W/35mm/ポルトガル、ドイツ、ブラジル、フランス合作/ポルトガル語
日本語字幕:西山敦子
配給:エスパース・サロウ