home
home

 

ある愛へと続く旅
TWICE BORN

2013年11月1日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー


■ストーリー
 ローマに暮らすジェンマのもとに、ある日1本の電話がかかってきた。それは青春時代を過ごしたサラエボに住む旧い友人ゴイコからのものだった。ジェンマは16歳になる息子ピエトロとの難しい関係を修復するためにも、彼を伴って自らの過去を訪ねる旅に出ることを決意する。

 ──20年以上前サラエボに留学していた女子大生のジェンマは、そこでゴイコから若きアメリカ人ディエゴを紹介された。一瞬で恋に落ちた二人は、ひと時も離れていられないくらいの愛で結びつき、やがて結ばれ、ローマで新婚生活を送り始めたのだった。誰もが望むこと、愛する人との子供が欲しい。しかし、ジェンマの小さな夢は無残にも打ち砕かれてしまう。

 サラエボ。ヨーロッパの東に位置するこの国には、国境を越えて自由を謳歌する若者たちが集っていたが、都市サラエボにも不穏な空気が流れ、遂に悲しい民族紛争の火ぶたが切られてしまった。カメラマンのディエゴは、戦場の現実を記録するためローマから一人サラエボに向かう。後を追ったジェンマもかつての友人たちと再会し、人道支援活動に参加し、以前とは180度違う状況下のサラエボに暮らし始めたのだった。そんな日々の中でもジェンマはディエゴとの子供が欲しいという夢を捨てきれず、二人は代理母を探し始め、ミュージシャンを目指すアスカという女性に出会った。

 


■キャスト
ペネロペ・クルス
エミール・ハーシュ
アドナン・ハスコヴィッチ
サーデット・アクソイ
ピエトロ・カステリット
ジェーン・バーキン
 




       

 

 アスカと二人は意気投合し、ジェンマはアスカに代理母としての願いを託すのだった。しかし戦況は悪化の一途をたどり、国内には無残な日常が繰り返され、かつての美しい街はその姿を失っていった。そして、アスカは男の子を出産したが、産まれたばかりの赤ん坊の身を守るためにもジェンマはイタリアに戻ることを選択する。だが、ディエゴは一人サラエボに残ることを余儀なくされた。

 それから16年。当時、命からがらサラエボを脱出した母と乳飲み子を助けてくれた大尉と再婚したジェンマは息子をともなって、サラエボを訪れた。懐かしいゴイコとの再会、そして蘇る青春の日々。ともに白髪交じりの年齢になった二人は、亡きディエゴとの思い出を語り合い、回想する・・・。


※   ※   ※

 

       
 





       

■プロダクション・ノートより

セルジオ・カステリット監督

これは、作家の想像と、それに続いて練り上げられた映画の脚本によって生み出された架空のストーリーです。登場人物たちは衝突し、衝動に突き動かされ、葛藤を覚え、強い願望を抱きますが、すべて空想の産物です。しかしストーリーは真実なのです。
なぜならサラエボ包囲に代表される、旧ユーゴスラビアで起きた戦闘は、目を背けられぬ真実であり、今なおレイプや当時の記憶が、戦火を生き抜いた多くの人々の目から読み取ることができるからです。映画は“空想の産物”とはいえ、こうした真実を無視することはできません。“真実の”映画は、写実的である必要はありませんが、それでも道徳的なストーリーを持ち、感動的なドキュメンタリーであり、心理を描写したルポルタージュであるのです。

描かれるのはメインキャラクター、ジェンマの旅です。彼女は母性を失うことになった恐ろしい出来事を経験し、そして戦争とサラエボ包囲の闇に飲み込まれます。彼女の旅は、最も重要な答えを探すものへと変化します。なぜ何もかもがこんなにも暴力的なのか? そして一番重要な問いは、この暴力は光や新しい可能性を生むことができるのか? この問いに対する答えは、私たちが探し求めているものです。闇に屈したくなければ、私たちはアーティストの“ばかげた”ユートピアを追及しなければなりません。その闇から生まれる子供には、希望と夢に満ちた未来があるでしょう。何よりも、前の時代の人々より良い未来が。

本作はまた、母性と父性という普遍的なテーマを描いた長い旅物語です。緊密ながら極限的なストーリーを通して映画が物語るのは、ヨーロッパにおけるこの20年の歴史と、私たちヨーロッパ人がしばしば単に人道主義的な問題とみなしてきたある戦争です。あたかも恐ろしい根本的な理由があって、私たちにはまったく関係がないというように。この戦争は地理的な近さでも、私たちを恐怖に陥れました。というのも、ロマーニャのにぎやかなビーチと、反対側の血に染まった海岸を隔てていたのは、わずか数マイルの海でした。私たちは三つの歴史的な時代を再構築します。サラエボ冬季オリンピックがあった80年代、戦闘とサラエボ包囲があった90年代、そして、ジェンマが旅に出る現代です。
映画が撮影されるのは、“本物”の戦場となった、サラエボ、モスタル、クロアチアです。言語は英語、ボスニア語、イタリア語が絡み合い、私が探し求める真実をしっかりと固めるものとなるでしょう。(プレス資料より)


 

 









■監督・脚本:セルジオ・カステリット
イタリアローマ生まれ、ローマ在住。
ジャック・リヴェット、ジュゼッペ・トルナトーレ、エットーレ・スコラら著名監督の作品に多数出演し、俳優としてのキャリアを築く。
妻のマルガレート・マッツァンティーニのベストセラー「動かないで」を映画化した『赤いアモーレ』は、監督第2作。この他の監督作品に『ロバの美』(2010、監督・脚本)がある。

■スタッフ
監督・脚本:セルジオ・カステリット
脚本:マルガレート・マッツァンティーニ
原作:マルガレート・マッツァンティーニ
撮影:ジャンフィリッポ・コルティチェッリ
美術:フランチェスコ・フリジェッリ
衣装:ソヌ・ミシュラ
編集:パトリツィオ・マローネ
音楽:エドゥアルド・クルス
製作:セルジオ・カステリット、ロベルト・セッサ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.aru-ai.com/

(C)Alien Produzioni / Picomedia /Telecinco Cinema/ Mod Producciones 2012

原題:VENUTO AL MONDO/英題:TWICE BORN
2012 年/イタリア・スペイン/イタリア語・英語・ボスニア語/129分
配給:コムストック・グループ