ふたりのアトリエ
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■キャスト ジャン・ロシュフォール アイーダ・フォルチ クラウディア・カルディナーレ ゲッツ・オットー チュス・ランプレアヴェ クリスチャン・シニジェ |
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クロスはメルセのスケッチを続けるが、長年思い描いていた女性像がつかめず苦悩する日々が続いていた。一方、退屈そうにしているメルセに、優しく指南するクロス。大切にしているレンブラントの絵を取り出してメルセに見せ、語り聞かせる。ふたりで過ごす時間の中でメルセにも少しずつ変化が起きていた。 ある夜、メルセは山の中でピエールと出会う。レジスタンスと合流してここまで来たが、戦いで腕を負傷していた。傷が治るまでアトリエで世話をしたいとクロスに懇願するメルセ。実は、メルセもスペインでは対独レジスタンスを逃がす手伝いをしていたのだった。そこにドイツ軍人ヴェルナーが突然アトリエを訪ねてきた。怖がるメルセとピエールを、モデルと助手だと紹介するクロス。大学教授で美術史家のヴェルナーはクロスの長年の友人でもあった。久々の再会を楽しむ二人だったが、すぐにヴェルナーは激戦地のロシア戦線へ出発していく。 アトリエでの創作は行き詰まっていた。思い通りにいかず苛立ちを隠せないクロスは、メルセにきつく当たる。落ち込み頭を抱えたメルセの姿に、今までにないインスピレーションを感じたクロスは、一心不乱にそのポーズをスケッチブックに書きためていった・・・
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■プロダクション・ノートより ピカソ、ゴーギャン、マティス、ロダンら多くの芸術家と親交のあったフランスの彫刻家アリスティド・マイヨールの人生にインスパイアされた本作。40歳を過ぎてから本格的に彫刻を手掛けるようになった彼が初の個展を開いた際に、作品を観たロダンが「このブロンズはすべての人にとって模範である。彼は天才だ。」とその才能を絶賛し、高く評価されるようになった。82歳で亡くなるまで精力的に制作を続けたマイヨールの代表作のひとつ「地中海」(1905年作)を、脚本の段階からモチーフとしてイメージしていたと語るのは、監督・脚本を務めたスペインの名匠フェルナンド・トルエバ。 彫刻家を演じたのは、パトリス・ルコント作品で世界的に知られるようになり『髪結いの亭主』『列車に乗った男』をはじめ100本以上の作品に出演しているジャン・ロシュフォール。セザール賞主演男優賞を2度受賞しているフランスを代表する名優。 彼を魅了するモデル役には、オーディションで3,000人の中から選ばれたことをきっかけにトルエバ監督の『El embrujo de Shanghai』の主役でデビューしたスペインの若手女優アイーダ・フォルチ。本作で10年ぶりにトルエバ監督作品の主演に抜擢され、台本が出来上がる前からフランス語習得のためパリへ渡り、数か月間の勉強を積んでこの役に臨んだ。 そして、フェデリコ・フェリーニや、ルキノ・ヴィスコンティなどイタリアの巨匠監督に愛されたクラウディア・カルディナーレ。『山猫』『ブーベの恋人』で日本でもその人気を決定づけ多くのファンを魅了し、セクシー女優としても人気を博した。2002年にはイタリア共和国功労賞を受章。自身もかつてはモデルをしていた芸術に理解のある彫刻家の妻役で、ロシュフォールとの豪華共演を果たした。 プレス資料より一部転載
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■監督・脚本:フェルナンド・トルエバ 1955年生まれ。スペイン・マドリード出身。『禁断のつぼみ』(89)で、ゴヤ賞作品賞&監督賞を受賞。 『美しき虜』(98)でゴヤ賞作品賞、『Opera Prima』(98)でヴェネツィア国際映画祭新人賞、『El ano de las luces』(87)で、ベルリン国際映画祭独創性貢献賞、『ベルエポック』(93)でアカデミー賞外国語映画賞とゴヤ賞作品賞・監督賞・脚本賞を受賞。 『チコとリタ』(10)で、第84回アカデミー賞長編アニメ映画賞ノミネート、第25回ゴヤ賞長編アニメ映画賞受賞、第24回ヨーロッパ映画賞長編アニメ映画賞、第4回ガウディ賞長編アニメ映画賞などを受賞。 ■スタッフ 監督・脚本:フェルナンド・トルエバ 共同脚本:ジャン=クロード・カリエール 撮影:ダニエル・ヴィラール 美術:ピラール・リベルタ 衣装:ラーラ・ヒュート 録音:ピエール・ガメ 制作:クリスティナ・ヒュート |
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原題:El Artista y la modelo |
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