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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ
ONLY LOVERS LEFT ALIVE

2013年12月20日(金)より TOHO シネマズ シャンテ、新宿武蔵野館、大阪ステーションシティシネマ ほか 全国公開


■ストーリー
 米デトロイト。寂れたアパートでひっそりと暮らすアダムは、何世紀も生き続ける吸血鬼。その姿を隠し、アンダーグラウンド・シーンでカリスマ的な人気を誇る伝説のミュージシャンとして生きている。彼が起きて活動するのは夜間だけ。年代物のギターを愛好し、名前を発表せずに音楽を作る。必要な物の多くはイアンという男に調達を任せている。そして時折、自ら素顔を隠して医師ワトソンの病院を訪れ、極秘に血液を手にいれていた。

 そんな彼に、ある夜、懐かしい電話が掛かってきた。永遠の恋人、吸血鬼のイヴからだ。モロッコのタンジールに滞在していた彼女は、やがてパリ経由で夜間の便を乗り継ぎ、“リュミエール航空”でデトロイトへ。アダムのアパートで二人は久々に再会を果たす。

 


■キャスト
トム・ヒドルストン
ティルダ・スウィントン
ミア・ワシコウスカ
ジョン・ハート
 




       

 

 アダムとイヴは愛を交わしながら、音楽について、彼らが“ゾンビども”と呼ぶ人間たちが犯した歴史上の蛮行について話す。少し眠ったあと、車に乗って夜の散歩へ。パッカード工場跡の廃墟、ジャック・ホワイトの生家、そして元ミシガン劇場の跡地を案内するアダム。

 再びアパートに戻り、チェスに興じる二人。何世紀も前の昔話を交わしながら、イヴはアダムにこう伝える。「あなたのヒーローのマーロウがよろしくと」。マーロウとは、クリストファー・マーロウ。人間の歴史上では16世紀末に死んだとされているこの異端の作家は、いまはタンジールに“キット”という名で身を潜めていた。

 そんな二人の穏やかで堕落した悦楽の日々は、まもなくひとりの闖入者によって掻き乱されてしまう。イヴの妹のエヴァがL.A.からアダムのアパートを突然訪ねてきたのだ。アダムは87年前にパリでエヴァが起こした“ある一件”の怒りがまだ収まらなかったが、このずうずうしい厄介者はすっかり居ついてしまう。

 まもなく事件は起こった。三人でライヴハウスに出向いたあと、エヴァはそこで出会ったイアンをアパートに連れ帰り、酔っ払った彼の血を吸ってしまったのだ。妹を庇っていたイヴも「なんてことを! いまは21世紀なのよ」と激昂し、彼女をアパートから追い出す・・・


※   ※   ※

 

       
 





       

■プロダクション・ノート

2013年カンヌ国際映画祭公式記者会見より

―あなたの音楽に対する個人的な関係性と、映画内にはかなりたくさんの音楽が出てきますが、あなたがとられた戦略は?

ジム:音楽は非常に、非常に大切です。第一に音楽の核となるのは、ジョセフ・ヴァン・ヴィセムです。彼は作曲家であり、リュート奏者であり、ギター奏者であり、アヴァンギャルド作曲家であり、ある種の、とりわけリュート音楽の音楽史家であり、でも彼はまたアヴァンギャルドな、ロックン・ロールな側面も持っており、彼には本当にたくさんの才能があります。

彼は音楽の中心です。そしてカーター・ローゲンと私自身、シェイン・ストンバックとで、僕らはSQÜRLというバンドをやっているのですが、僕らとジョセフがコラボレーションをし、また彼の音楽に何か付け加えたりしました。映画内の音楽のいくつかは、彼がリーダーとなり我々がともに作ったものです。

そしてまた、ヤスミン・ハムダンによる、素晴らしいオリジナル・ソングもありました。僕は彼女に多大な敬意を抱いています。数年前にモロッコで彼女の演奏を見て、僕は彼女の音楽の大ファンになったのですが、ぼくはただ、このミュージシャンを知ったとき、信じられない思いでした。

僕らはそういった音楽を映画の中に使用しています。が、いくつかは元々存在していた音楽、特に僕らはデニス・ラサールのR&Bトラックが大好きでしたし、愛というものの罠にはまり、彼らはそれに合わせて踊る。この映画のある時点での和解の部分なのですが。まあ、何でしょうね、音楽は僕にとって、とてもとても重要なものですし、この映画においても大変重要です。


 

 









■監督・脚本:ジム・ジャームッシュ 
 1953年、アメリカ、オハイオ州生まれ。作家を目指してコロンビア大学で英文学を専攻。ニューヨーク大学大学院映画学科に進み、卒業制作の『パーマネント・バケーション』(80)が話題となり、第2作目『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(84)で1984年カンヌ国際映画祭カメラ・ドールを受賞。
主な作品、『ダウン・バイ・ロー』(86)、『ミステリー・トレイン』(89)、『ナイト・オン・ザ・プラネット』(91)、『デッドマン』(95)(1996年ニューヨーク映画批評家協会賞撮影賞受賞)、『イヤー・オブ・ザ・ホース』(97)、『ゴースト・ドッグ』(99)、『コーヒー&シガレッツ』(03)、短編「女優のブレイクタイム」(短編集「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」に収録)(02)、『ブロークン・フラワーズ』(2005年カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞)、『リミッツ・オブ・コントロール』(09)など。



■スタッフ
監督・脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影:ヨリック・ルソー
美術:マルコ・ビットーナ・ロッサー
衣装:ビナ・ダイヘレル
編集:アフォンソ・ゴンサルヴェス
音楽:ジョセフ・ヴァン・ヴィセム
プロデューサー:ジェレミー・トーマス、レインハード・ブランディング

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://onlylovers.jp/

(C)2013 Biancafilm Licensed by RAI S.p.A. - Rome, Italy. All Rights Reserved.

英題:ONLY LOVERS LEFT ALIVE
2013年/米・英・独/123分/カラー/英語/ビスタ/5.1ch
日本語字幕:内朝子
配給:ロングライド