大統領の執事の涙
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■キャスト フォレスト・ウィテカー、オプラ・ウィンフリー、デヴィッド・オイェロウォ、 イライジャ・ケリー、ロビン・ウィリアムズ、ジェームズ・マースデン、 ミンカ・ケリー、リーヴ・シュレイバー、ジョン・キューザック、 アラン・リックマン、ジェーン・フォンダ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、 アレックス・ペティファー、アムル・アミーンほか |
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キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争……アメリカが大きく揺れ動いていた時代。気づけば、歴史が動く瞬間を最前線で見続けることとなったセシル。 ホワイトハウスの執事として求められるもの、それはその空間の“空気になる”事。国を揺るがす重要な会議に立ち会えば、存在を消して仕事をこなし、黒人として大統領から質問をされれば、「求められる回答」で答え、いつでも忠実に働き続ける。 彼の仕事に理解を示しながら、寂しさを募らせる妻。父の仕事を恥じ、国と戦うため、反政府運動に身を投じる長男。
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監督:リー・ダニエルズ インタビュー Q:本作の起源について、また製作のローラ・ジスキンとの仕事について・・・。 その間にローラはがんが進行していたが、彼女はクリエイティブ面でも資金調達面でもずっと僕を助けてくれていた。彼女が1週間僕と会うためにニューヨークに飛んできたときは、僕たちはアッパーイーストサイドの彼女のホテルで仕事をした。その時彼女は外出できないほど、具合が悪くなっていたんだ。だが翌週の火曜日には、彼女はサンタモニカの自宅に戻った。宝くじに当たった黒人女性がこの映画に投資したいというんだ。僕はローラに言った。「凄いね、君とは数日前に会ったばかりなのに、もう別の投資家を見つけたんだね。君って本当に驚きだ!」。その数日後、彼女は昏睡状態に陥り、日曜日の夕刻に亡くなった。これはローラのための映画でもあるんだ。 Q:なぜこの映画を作りたいと思ったのですか? この物語のどこがあなたにとって重要だったのですか? それに、セシルは僕の父に似ている。彼は、僕の父と同じように、白人に意思を伝える方法について異なる見解をもっている。彼が執事としてホワイトハウスに入ったのは、そういう方法で自分の国に仕えることができると感じたからだ。彼は自分の家族を支えるために仕事をすることに誇りをもっている。だが彼の息子ルイスはそれを恥ずかしいと思っている。セシルには従順であることと仕事をすることの違いが解らない。一方でルイスは、父とは違う生き方を求めて、選挙権のためにマーティン・ルーサー・キング・ジュニアとともに行進する。ところがキングが殺され、彼は従順さが機能しないことに気づく。そしてもっと攻撃的になり、マルコムXに倣い、ブラックパンサー党に入る。こうして、ホワイトハウスで白人のため、大統領のために働くセシルとは、反対の道を進んでいく。 誰が正しくて誰が間違っているのか。大統領に仕えることや、従順に仕えることは? 白人に受け入れてもらい信頼を得ることは、有色人種のなかでも上等なことになるのか? 或いは、信じることのために行進し正々堂々と意見を述べ、喜んで死ぬことが正しいことなのか? セシルと彼の息子は角を突き合わせるが、それこそが僕を『プレシャス』に導いたのと同じ、心からこの物語に飛び込みたいと思わせてくれた要素だった。
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■監督:リー・ダニエルズ 初プロデュース作品『チョコレート』(01)で、米アカデミー賞受賞。唯一のアフリカ系アメリカ人プロデューサー。 『サイレンサー』(05)で監督デビュー。監督二作目の『プレシャス』(09)で、米アカデミー賞6部門にノミネートされ、最優秀助演女優賞、最優秀脚本賞を受賞。 近作に、脚本、監督、製作を担当した『ペーパーボーイ 真夏の引力』(12)がある。 ■スタッフ 監督・製作:リー・ダニエルズ 脚本:ダニー・ストロング 撮影:アンドリュー・ダン 美術:ティム・ガルヴィン 衣装:ルース・カーター 編集:ジョー・クロッツ 音楽:ロドリーゴ・レアン 特殊メイクデザイナー:マシュー・マングル メイクアップ・アーティスト:ダグラス・ノーエ 製作:パメラ・オアス・ウィリアムズ、ローラ・ジスキン、バディ・パトリック、カシアン・エルウィズ 製作総指揮:マイケル・フィンリー、シーラ・C・ジョンソン |
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原題:THE BUTLER |
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