パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト
The Devil's Violinist
2014年7月TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamura・ル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国にてロードショー
■ストーリー
1830年、イタリア。オペラの幕間に舞台に上がり、ヴァイオリンをかきならす男。観客はおしゃべりに夢中か、ヤジを飛ばすだけだった。男はニコロ・パガニーニ。その才能は未だ誰にも認められず、手持ちの金も尽きていた。
ある朝、アルバーニと名乗る男がホテルの一室に現れる。そして、パガニーニを世紀のヴァイオリニストにすると宣言する。斬新過ぎる演奏についていけない聴衆を、自分の手腕で導いてみせるという。交換条件を問うパガニーニに、「あの世で会えたら、恩を返してくれ」と答えるアルバーニ。こうして音楽史に残る奇妙な同盟が誕生した。
「悪魔に魂を売り渡した」「愛人を殺して放り込まれた監獄で、弦が1本になったヴァイオリンを弾いていた」―アルバーニは、センセーショナルな伝説をパガニーニにまとわせ、人々の好奇心をかき立てた。「一ヵ月以内にミラノの名門劇場で公演する」という約束は、簡単に果たされた。格式ある舞台さえ用意すれば、あとはパガニーニが、その才能を発揮するだけ。新聞は絶賛の記事を書きたて、たちまちパガニーニは富と名声を手に入れる。
パガニーニの噂は、イギリスにも届く。指揮者のジョン・ワトソンはパガニーニのロンドンデビューを企画し、渡航費を添えた手紙をパガニーニ
に送る。
成功はしたものの、パガニーニは酒と女に溺れ、ギャンブルに稼いだ金を注ぎ込んでいた。ワトソンからの送金も一瞬で消え、アルバーニは経費の増額を要求する。ワトソンは銀行から借りて工面するが、溺愛する息子に離れないと約束したパガニーニには、船に乗る気などなかった。裁判所命令で家財を差し押さえられても、ワトソンはひたすらパガニーニを待ち続ける。
ヨーロッパ征服の野望に燃えるアルバーニは強硬手段を決意。無理やり彼をロンドンへと連れて行く・・・
※ ※ ※