home
home

 

嗤う分身
The Double

2014年11月8日、シネマライズ他にてロードショー


■ストーリー
 近未来、厳しい束縛と管理体制がしかれ、労働者は単なるコマにしか過ぎない世界。“大佐”なる者が君臨する不穏な雰囲気の会社で働くサイモン・ジェームズ。
 勤続7年というのに、その存在感の薄さから名前もまともに覚えてもらえず、上司からはひどい扱いを受け、同僚からはバカにされ、母親からも蔑まれる日々を送っている。

 ある夜、向かいのアパートの上層階の窓際に立つ男の姿を発見する。男はサイモンに向かって手を振ると、そのまま静かに飛び降りた。
この見知らぬ男の自殺を目撃したことを境に、サイモンの人生はさらなる悪状況に陥ることになる。


 

 


■キャスト
ジェシー・アイゼンバーグ
ミア・ワシコウスカ
ウォーレス・ショーン
ヤスミン・ペイジ
ノア・テイラー
 




       

 

 “彼”はある日突然サイモンの前に現れた。会社期待の新人として入社してきたジェーム・ズサイモンは、顔、背格好、ファッション、爪の形までサイモンと瓜二つだった。もう一人のサイモンの出現に動揺するサイモンを尻目に、上司も同僚も、誰一人としてこの状況に驚くことも不思議がることもしない。むしろジェームズはあっという間に会社になじみ、一方、サイモンはますます影の薄い存在として扱われるのだった・・・

※   ※   ※

 

       
 





       


■プロダクション・ノートより

監督・脚本:リチャード・アイオアディ インタビュー

Q:CGではなくカメラの中で効果を作り上げるために、長い時間を費やしているのは?

例えば、コントラストの高い映像にする事で、フィルムの感覚として『嗤う分身』は光と影の映像だと印象付けることができる。それにカメラでできることは多い。モーションコントロールカメラという偉大な発明があるからね。二役の演出は俳優とリハーサルをして、変更点を直して、後は俳優を信じる。難しいのはジェシーが片方の役を演じたらその場で使うテイクを選んで、カメラ位置を戻して全く同じカメラワークを再現し、音声を頼りにもう一つの役を演じるわけだから、完成した画はポスプロを待たないとわからない。
ジェシーが二役を切り替えて演じ分けるので、多分にかれ次第の面があるけれど、変更の効かない未知の要素を取り込むにはカメラ内で完結させるのがベターだ。

Q:劇中では昭和歌謡が多用されていますね。選曲に至った経緯は?

昔、「エド・サリヴァンショー」というアメリカのバラエティ番組があったんだ。ゲストには、プレスリーとか、ストーンズなどのスターたちが出演していた。その番組に、日本の坂本九やジャッキー吉川とブルー・コメッツも出演していたんだよ。
僕が生まれる前に放送されていた番組だから、再放送で見たんだ。それで日本の音楽が印象残った。僕がイメージする作品の世界観にも合うと思ったしね。主人公の心情と歌詞がマッチするような選曲にしたよ。

Q:この物語の面白さは何でしょう?

サイモンは寂しい男で、何でも先延ばしにしてきた。そしてある日、もう一人の全く性格の異なる自分が現れる。
この物語の一つのポイントは、この主人公が想いを寄せるハナが、もう一人の自分に興味を抱くようになってしまい、二人のあいだで揺れ動き、どう発展させるかというところにあると思う。


 

 









■監督:リチャード・アイオアディ 
1977年生まれ。イギリス、ロンドン出身のコメディアン、俳優、脚本家、映画監督。ケンブリッジ大学で学び、演劇クラブ「ケンブリッジ・フットライツ」で座長を務め、その後も英国コメディ界のトップにいる。
在学中より舞台の脚本を多くてがけ、2004年、チャンネル4のホラーコメディで共同脚本、演出を担当し出演もした。
アークティック・モンキーズ、カサビアン、ヴァンパイア・ウィークエンドなどのミュージシャンのPV監督をしており、2008年にアークティック・モンキーズのアポロ・シアターでのライブ映画をリリースした。
『サブマリン』(2010)で長編映画監督デビュー。本作は2作目。




■スタッフ
監督・脚本:リチャード・アイオアディ
原作:フョードル・ドストエフスキー『分身(二重人格)』
共同脚本:アヴィ・コリン
撮影:エリック・アレクサンダー・ウィルソン
美術:デヴィッド・クランク
衣装:ジャクリーヌ・デュラン
編集:ニック・フェントン、クリス・ディケンズ
音楽:アンドリュー・ヒューイット

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://waraubunshin-espacesarou.com/

(C)Channel Four Television Corporation, The British Film Institute, Alcove Double Limited 2013

原題:The Double
2013年 /英語/イギリス /93分 /ビスタサイズ
日本語字幕:種市譲二
配給:エスパース・サロウ