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グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
Grace of Monaco

2014年10月18日(土)より、TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー


■ストーリー
 1956年、オスカー女優のグレース・ケリーは、モナコ大公レーニエ3世と、華やかなロイヤル・ウェディングを挙げた。あれから6年が経とうとしている1961年12月、グレースは二人の子供に恵まれたが、王室の中で孤立していた。
そんなグレースの前に、脚本を手にしたヒッチコックが現れる。『マーニー』という新作映画の出演依頼に訪れたのだが、グレースを見て「やつれた顔だ」と心配する。

 自分の意見をハッキリ言うグレースは、社交の場でも浮いていた。オナシスらが出席する政府の要人のパーティで、フランスのシャルル・ド・ゴール大統領の側近に政治批判をぶつけ、「アメリカ流だ」と皮肉られる。パーティの後、「思ったままを口にするな」と叱責するレーニエと激しい口論になってしまう。

 

 


■キャスト
ニコール・キッドマン、ティム・ロス、フランク・ランジェラ、パス・ヴェガ
 




       

 

 折しもモナコ公国に、大いなる危機が降りかかる。アルジェリアの独立戦争で戦費が必要になったフランスが、無税の国モナコに移転したフランス企業から税金を徴収して支払うよう要求し、「従わなければ、モナコをフランス領とする」と声明を出したのだ。もし戦争になれば、軍隊もない小国モナコは、一瞬で占領されてしまう。
政治で頭がいっぱいのレーニエに無視され、益々居場所を見失ったグレースは、ハリウッド復帰を望む。レーニエは自分で責任を取るならと了承するが、国家の危機的状況に発表は控えられる。ところが、宮殿から情報が漏れ大々的に報じられる。グレースの相談役で後見人のタッカー神父は、フランスのスパイがいると警戒するのだった。

 1962年7月、「国家の危機にハリウッド逃亡なんて」「どうせヨソ者はモナコ人になれないのよ」と、国民の公妃への不満は高まっていく。励ましてくれるのは、義姉のアントワネットと、オナシスの愛人のマリア・カラスだけだった。
ついにレーニエは、フランス企業への課税を了承する。ところが、ド・ゴールは「モナコ企業にも課税してフランスに収めろ」と、脅し同然の要求を突きつける。追いつめられたレーニエは行き場の無い怒りをグレースにぶつけ、「映画は完全に引退すると公表しろ」と迫る。
結婚式の記録映像を見ながら、離婚を考え、涙にくれるグレース。傍らで優しく見守る神父は、「人生最高の役を演じるためにモナコに来たはずだ。君ならできる」と諭す。数日後、神父は決意を新たにしたグレースを外交儀礼の専門家であるデリエール伯爵(の元へ連れて行く。モナコの歴史、王室の仕組み、完璧なフランス語、公妃の作法、正しいスピーチ─グレースの夏は厳しい特訓で過ぎて行く・・・


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■プロダクション・ノートより

監督・脚本:オリヴィエ・ダアン インタビュー

「伝記映画を作ることに興味はなかった。それに、史実にもとづいているとはいえ、これは歴史映画でもないと僕は断言する。」そう語るオリヴィエ・ダアン監督がグレース・ケリーの物語に惹かれたのは、彼女の人生の奥に隠された部分に興味をもったから。
女優として大成功を収めていたにも関わらず、結婚のためにキャリアを断念し、異国の地に渡ったグレース。しかし、心の中では完全にあきらめることができておらず、ヒッチコックからの出演オファーに心を揺らがせたりもする。ダアンが描きたかったのは、現代女性、そして彼自身もが共感できる、彼女のそんな葛藤だった。「僕は、自分が共感でき、理解できる物語しか語ることができない。どの映画を作る時も、僕自身の要素が、必ずミックスされているんだ」

グレースが抱える矛盾を反映するためにも、ダアンは、人が想像する華やかなプリンセスの生活とは対極な、彼女の私生活の暗さに焦点を置こうと決めた。キャラクターの内面をより深く語るために、フィクションのシーンもところどころ織り込まれている。たとえば、グレースがアメリカの母に電話をするシーンは、そのひとつ。

また、ヒッチコックがグレースに役をオファーしたのは事実だが、彼は実際にはモナコまで彼女を訪ねてはきていない。「あえてそうしたのは、グレースとヒッチコックが同じ部屋にいる状況をとらえたかったからだ。彼女がどんな反応をしたのかを、観客に見せたかったんだよ」


 

 









■監督:オリヴィエ・ダアン
1967年、フランス、ブーシュ=デュ=ローヌ生まれ。マルセイユの美術学校で絵画を学び、卒業後は個展を開く。ミュージック・ビデオ、TVシリーズや短編を手掛けた後、1998年に『Deja mort』で長編映画監督デビュー。
『プセの冒険 真紅の魔法靴』(01)、イザベル・ユペール主演の『いつか、きっと』(02)を監督。2004年、『クリムゾン・リバー2 黙示録の天使たち』の監督に抜擢。
この他に『エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜』(07)がある。


■スタッフ
監督・脚本:オリヴィエ・ダアン
脚本・製作:アラッシュ・アメル
撮影:エリック・ゴーティエ
美術:ダン・ヴェイル
衣装:ジジ・ルパージュ
音楽:クリストファー・ガニング

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://grace-of-monaco.gaga.ne.jp/

(C)2014 STONE ANGELS SAS

原題:Grace of Monaco
104分 /フランス
2013年 /フランス /104分 /シネスコ/5.1chデジタル
日本語字幕:古田由紀子
配給:ギャガ