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セッション
Whiplash

2015年4月17日(金) TOHOシネマズ 新宿他 全国順次公開


■ストーリー
 

 偉大なドラマーになるという野心を抱いて、全米屈指の名門校シェイファー音楽院に入学した19歳のニーマンは、何とかしてフレッチャー教授の目に留まりたいと考えていた。彼が指揮する“スタジオ・バンド”に所属すれば、成功は約束されたも同然だからだ。
ある日、一人で練習するニーマンの前にフレッチャーが現れるが、ほんの数秒聴いただけで出て行ってしまう。ところが数日後、ニーマンのバンドのレッスンに顔を出したフレッチャーは、メンバー全員の音をチェックすると、主奏者のコノリーを差し置いて、ニーマンにだけ自分のバンドに移籍するよう命じる。

 開始時刻ちょうどにフレッチャーが登場すると、教室は異様なまでの緊張感に包まれる。まもなくニーマンはその理由を思い知る。トロンボーン奏者が僅かな音程のズレを責められ、その場でクビにされたのだ。フレッチャーは生徒たちを恐怖で支配していた。
フレッチャーから「緊張しなくていい。演奏を楽しめ」と優しく声をかけられ、信用したニーマンに非情な洗礼が待っていた。「17小節の4拍目」のテンポが違うと怒りで豹変したフレッチャーに椅子を投げつけられ、ビンタでテンポを矯正され、「ブチのめすぞ」「低能」「クズでオカマ唇のクソ野郎」と、悪魔のごとき形相で罵られたのだ。
泣いて帰ったニーマンだが、翌日からその悔しさをバネに、肉が裂け血の噴き出す手に絆創膏を貼っては、ひたすらドラムを叩き続けるのだった。

 


■キャスト
マイルズ・テラー
J・K・シモンズ
メリッサ・ブノワ
ポール・ライザー
オースティン・ストウェル
ネイト・ラング
 











       

 

 ニーマンの家族は、本業のはずの物書きでは生計が立てられず高校の教師をしている父親だけだ。母親は彼が幼い頃に家を出て行った。音楽以外は何の興味もなく、友達もいない
ニーマンにとって、今は別々に暮らす父親と映画館へ行くことが唯一の娯楽だった。
その映画館の売店でバイトをしているニコルとの初デートに出かけるニーマン。フレッチャーにスカウトされた日、自分が無敵になった気がして秘かに想いを寄せていた彼女に声をかけたのだ。ニーマンは目的も持たず大学に通うニコルに物足りなさを感じるが、その笑顔は素敵だった。


 オーバーブルックでのコンテストに出場するスタジオ・バンド。ニーマンは主奏者のタナーの譜めくりとしての参加だ。予選を終えた後、トラブルが発生する。ニーマンがタナーから預かった楽譜を誰かが持ち去ったのだ。暗譜していないタナーに代わって決勝戦のステージに上がったのは・・・



※   ※   ※

 

       
 






       


■プロダクション・ノートより


本作は監督と脚本を手掛けたデイミアン・チャゼルの自伝的な物語でもある。音楽の才能に恵まれたチャゼルは、ニュージャージー州のプリンストン高校のバンドでジャズドラマーとして活躍したが、厳しい指導者のもとで苦悩の日々を送る。バンドの指揮を務める指導者は、並外れた才能を持つ地元の英雄で、公立校の未熟なジャズバンドを、有名な「ダウン・ビート」誌によると「全米一のジャズバンド」に変えた。このバンドは、大統領就任式で2度演奏し、ニューヨークのJVCジャズフェスティバルの開幕式でも演奏した。

当時、ドラムを叩くことが人生だったチャゼルは、「いつも怒鳴られるのではないかとビクビクしていたこと、初めて買った自分のドラムをイライラして殴り壊したことを今もはっきりと思い出す」と語る。「早い、遅い、速度が違う!」という教師の罵倒が、チャゼルが高校生活を通して最も頻繁に耳にした言葉なのだ。

その後、チャゼルはハーバード大学で専攻した映画の道へと進むが、高校卒業から10年経っても、音楽室でのトラウマのせいで悪夢に襲われると言う。だが、そのトラウマが彼にアイデアを与えた。どれだけ自分が怖かったかを映画にしようと考えたのだ。「あの頃何よりも重要だったのは、教師との関係だった。あまりにも緊張に満ちたものだったから、それを映画で掘り下げたいと熱望した。生徒をより高い領域へと追い込むのが教師の務めなら、どこまでやれば十分なのか? 誰かを偉大にするにはどうすればいいのか? といった、音楽を別の角度から捉えた映画を作りたいと思った。これは、音楽の苦悩と恐怖を描いた映画だ」とチャゼルは説明する。


 

 









■監督・脚本:デイミアン・チャゼル
1985年、アメリカ、ロードアイランド州生まれ。ハーバード大学の学生だった頃に、監督と脚本を手掛けた初めての映画『Guy and Madeline on a Park Bench』(09)で、ゴッサム賞にノミネートされる。また、映画、ゲーム、音楽などの評価とレビューを集積するウェブサイト「メタクリティック」の“2010年に最高のレビューを獲得した20本の映画”の一つに選ばれ、ニューヨーク・タイムズ紙、ヴィレッジ・ヴォイス誌、シカゴ・トリビューン紙、ボストン・グローブ紙、タイム・アウト・ニューヨーク誌、フィルム・コメント誌、ボストン・フェニックス紙のベストリストに登場する。
その後、本作の脚本を執筆、製作前の脚本をハリウッドのスタジオ重役らの人気投票でランキングする「ブラックリスト」にランクインし、注目される。続いて、この脚本の一部に基づく短編映画『Whiplash』(13)を監督、サンダンス映画祭のアメリカ短編映画審査員賞を受賞し、本作製作の道を開く。本作で数々の賞に輝く。2015年アカデミー賞助演男優賞、編集賞、録音賞を受賞。次回作は、エマ・ワトソン、マイルズ・テラー出演のミュージカル映画『La La Land』(15)。


■スタッフ
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
撮影:シャロン・メール
美術:メラニー・ペイジス・ジョーンズ
衣装:リサ・ノーシア
編集:トム・クロス
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
製作:ジェイソン・ブラム、ヘレン・エスタブルック、ミシェル・リトヴァク、デヴィッド・ランカスター
製作総指揮:ジェイソン・ライトマン

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://session.gaga.ne.jp/

(C)2013 WHIPLASH, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

原題:Whiplash
2014年/アメリカ映画/107分/カラ―/5.1chデジタル/シネスコ
日本語字幕:石田泰子
配給:ギャガ