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アクトレス ―女たちの舞台
Sils Maria

2015年10月24日より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次公開


■ストーリー
  特急列車の廊下でマネージャーのヴァレンティンが携帯電話で女優、マリア・エンダースのスケジュールを調整している。マリアは今、新人女優だった彼女を発掘してくれた劇作家、ヴィルヘルム・メルヒオールに代わり、彼の功績を称える賞を受け取るためチューリッヒに向かっている途中だ。メルヒオールは、賞を受け取ることを拒否した上で、マリアに彼女を世に送り出した舞台「マローヤのヘビ」の題名の由来でもある景勝地、シルス・マリアまで来るよう指示してきた。その時、メルヒオールが71歳で亡くなったという衝撃的な知らせが入る。

 授賞式当夜、マリアが会場入りすると、壇上ではメルヒオール作品の常連俳優だったヘンリク・ヴァルトが故人との思い出を語っている。
 その後、レセプションで新進演出家のクラウスがマリアに面会を求めて来た。彼は「マローヤのヘビ」のリメイクにマリアの出演を熱望しているという。役柄はかつてマリアが演じた20歳の主人公、シグリッドではなく、シグリッドに翻弄され、自殺する40歳の会社経営者、ヘレナの方だった。

 


■キャスト
ジュリエット・ビノシュ
クリステン・スチュワート
クロエ・グレース・モレッツ
ラース・アイディンガー
ジョニー・フリン
アンゲラ・ヴィンクラー
ハンス・ツィシュラーほか
 











       

 

  マリアはシグリッドとは真逆の人物を演じたくはないときっぱり拒絶するが、クラウスは、メルヒオールは時を経てシグリッドがヘレナになるのを目撃したかったのではないかと反論する。さらに、彼は19歳の女優、ジョアン・エリスがリメイク版でシグリッドを演じることを伝える。

 シリス・マリアの山荘では、メルヒオールの妻、ローザがマリアたちを出迎える。リメイクへの出演を躊躇するマリアに、ヴァレンティンは、ジョアンは確かにゴシップまみれの問題児だが、ハリウッドでは珍しく滅菌されてない女優だと熱く語るのだった。

 やがて、山荘ではマリアとヴァレンティンが台詞合わせを始める・・・


※   ※   ※

 

       
 








       


■ディレクターズ・ノートより


女優のマリア・エンダースは、マネージャーのヴァレンティンとともに、ヴィルヘルム・メルヒオールによって創造された登場人物たちの豊かさ、複雑さを探求していきます。それらの登場人物たちは、戯曲が書かれてから20年経った後もそれぞれの秘密を抱えています。

しかし問題となっているのは、演劇でも、それが与えてくれる現実感でも、フィクションの入り組んだ構成でもなく、もっとシンプルで、そしてより秘められた人間性なのです。その人間性において、言葉、つまり作家たちによる言葉、俳優たちが自分のものとしていく言葉、そしてその中に観客たちが響かせる彼ら自身の言葉は、内なるモノローグの中で、私たちすべてが、日々、自らに問いかけている問い以外の何ものでもありません。

そう、もちろん、演劇は人生そのものです。そして演劇は人生より多少優れているともいえます、なぜなら演劇は、私たちの夢の中のように、最良な場合と同様に、最悪な場合でも、通俗的なるものにおいてさえ人生の偉大さを明らかにしてくれるからです。この意味において、マリア・エンダースはジュリエット・ビノシュでも、私自身でもなく、過去を再訪する必要を感じている私たち各々であるでしょう。

過去を明らかにするためではなく、私たちのアイデンティティの鍵となるもの、つまり私たちを構成したもの、私たちを歩ませ続けているものを見つけるために。マリアは虚空の上に身をかがめ、20歳の頃の自分の姿を眺めます。実は、彼女自身は同じであり、彼女の周囲の世界が変わり、そして若さが逃げ去っていったのです。無垢である限りの若さ、そして世界を発見する若さ。それは二度訪れることはありません。

それに対して、若さが私たちに教えてくれたことを忘れることは決してありません。世界が絶えず作り変えられていくこと、超現代的なリアルの解読、そして身を置くために払わなければならない代償。緊急性、最初に感じたリスクをその度に新たに感じ続けながら。ある風景の中で、一人の女優のコメディ、あるいはドラマ(それはそれぞれの観点によって異なるでしょう)を描いてみたいという着想を私に与えたのは、その風景の過去と現在の対峙でした。その女優は、欲望からというよりも、むしろ仕事上の、あるいは道徳上の義務感から、時間の深淵に身を投じていきます。

その空隙に身をかがめると、そこに浮かび上がってくるのは、絶対的な現在の中に固定された自分自身の姿以外のなにものでもないでしょう。『アクトレス』の核心となるのは、まさにその瞬間そのものです。マリア・エンダースは、現代メディアで名声を得ている(あるいは忌み嫌われている)有名人たちのヴァーチャル世界の何千ものアバターに異なる姿となって見いだすことができるでしょう。そこでは非常に個人的なものと、哀れなほどに凡庸なもの、潜在的なる公共の場との間の境が消滅しています。探そうとしても、見つかりません。おそらく単に、境など存在していないのでしょう。 (プレス資料より抜粋)


 

 









■監督:オリヴィエ・アサイヤス

1955年、パリ生まれ。1970年代にカイエ・デュ・シネマ誌で映画批評を書き、後に映画作家となる。
『ランデヴー』(85)、『夜を殺した女』(86)などのアンドレ・テシネ監督作品で脚本。『無秩序』(86)で長編デビュー。
主な監督作品に『イルマ・ヴェップ』(96)、東京で撮影した『DEMONLOVER デーモンラヴァー』(02)、『クリーン』(04)カンヌ映画祭で女優賞を獲得、『夏時間の庭』(08)などがある。

Filmography
1986 無秩序
1989 冬の子供
1991 パリ・セヴェイユ
1993 A NEW LIFE
1994 冷たい水
1996 イルマ・ヴェップ
1997 HHH:侯孝賢
1998 8月の終わり、9月の初め
2000 感傷的な運命
2002 DEMONLOVER デーモンラヴァー
2004 クリーン
2006 NOISE
2006 パリ、ジュテーム
2007 それぞれのシネマ -カンヌ国際映画祭60回記念製作映画-
2007 レディ アサシン
2008 夏時間の庭
2010 カルロス
2012 5月の後
2014 アクトレス -女たちの舞台-



■スタッフ
監督・脚本:オリヴィエ・アサイヤス
撮影:ヨリック・ル・ソー
美術:フランソワ=ルノー・ラバルテ
衣装:ユルゲン・ドーリング
編集:マリオン・モニエ
音楽:ダニエル・ソブリノ
製作:シャルル・ジリベール
製作総指揮:シルヴィ・バルテ

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://actress-movie.com/

(C) 2014 CG CINEMA - PALLAS FILM - CAB PRODUCTIONS - VORTEX SUTRA - ARTE France Cinema - ZDF/ARTE - ORANGE STUDIO - RTS RADIO TELEVISION SUISSE - SRG SSR


原題:Sils Maria
2014年/フランス・スイス・ドイツ合作/英語・フランス語・ドイツ語/124分/シネスコ
日本語字幕:松浦美奈
配給:トランスフォーマー