あの日のように抱きしめて
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■キャスト ニーナ・ホス ロナルト・ツェアフェルト ニーナ・クンツェンドルフほか |
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やっと顔の傷が回復してきたネリーの唯一の願いは、夫ジョニーを見つけだし過去を取り戻すことだった。だが、レネは再会に反対する。その2か月前、ユダヤ機関でレネはジョニーを見かけていた。彼は、ネリーの検挙直前に提出した離婚届けを盗み出そうとしたのだった。レネは「ジョニーは裏切り者よ」と言うが、ネリーはその言葉を聞き流す。 ある夜、ジョニーの家から抜け出したネリーは、レネの寝室の暗がりで告げる。「彼は私を見てもわからなかった。辛かったわ。私は一度死んだの。その私を彼はネリーに戻してくれた。パレスチナには移住しないわ。彼と一緒にいる。彼といると、昔の私に戻れるの・・・
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■プロダクション・ノートより そしてドイツの戦後映画について考察した――なぜドイツでは、コメディーやジャンル・フィルムを作られないのか。僕たちは国家社会主義(ナチズム)によって作り出された深淵へと繰り返し繰り返し放り込まれてしまうんだ。 数年後、僕は『東ベルリンから来た女』の制作を始めた。ニーナ・ホスとロナルト・ツェアフェルトが演じる恋人たちを見ている内に、彼らを通してストーリーを語ることができるのでは、と考え始めた。それでもう一度試してみることにしたんだ。このストーリーを何とかしてドイツで語ることは可能なのか――もしできるとしたら、どうやって?と。
なぜネリーはジョニーという固定観念にしがみつくのか、その理由が私にはよく理解できるようになったわ。もし彼が彼女を見分けることができたら、彼女は再び生を取り戻すの。私は「なぜ彼は彼女を見分けることができないのか?」とは問わなかった。結局のところ、彼女も自分自身を見分けることができないのだから。芯まで徹底的に破壊されてしまうと、人は自らを認識できなくなる。私はその事実を理解する必要があったわ。それが最も大きなチャレンジだった。これは、バラバラになってしまった自分を繋ぎ合わせようとする1人の人間の話なのだと理解することね。彼女は遠くから帰ってきた。 そして手の届くあらゆるものを掴んで理解しようとする――自分はいったい何者なのか、これから何者になることができるのか。彼女はレネに言うわ。「ジョニーに会って私はネリーに戻ることができたの。時々自分に激しい嫉妬を覚えるわ――過去の自分がいかに幸福であったかにね」彼女は自らについて三人称で語る。まるで誰か他の人間の話をするように。それでも共感することはできる――彼女はまさにその人物だったのだから。それはどこに行ってしまったの?
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■監督・脚本:クリスティアン・ペッツォルト 1960年、ヒルデン生まれ。ベルリン自由大学でドイツ文学と演劇を学ぶ。ドイツ映画テレビアカデミー(DFFB)で映画製作を学ぶと同時に、ハルン・ファロッキ、ハルトムート・ビトムスキーの助監督を務めた。前作『東ベルリンから来た女』は、2012年ベルリン国際映画祭銀熊賞、監督賞を受賞。 フィルモグラフィ |
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(C)SCHRAMM FILM / BR / WDR / ARTE 2014 原題:Phoenix 2014年/ドイツ映画/シネマスコープ/デジタル5.1ch/98分 配給:アルバトロス・フィルム
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