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ブーリン家の姉妹
The Other Boleyn Girl

2008年10月25日より、シャンテ シネほか全国TOHOシネマズ系にて公開


■ストーリー
 16世紀、アンとメアリーの父親トーマス・ブーリン卿にとって、娘達はブーリン一族の経済的かつ社会的繁栄をもたらすための大切な道具であった。
父は、姉のアンには貴族との結婚を画策していたので、裕福な商人ケアリー家との結婚の申し出に、妹のメアリーを差し出す。「爵位を持つ夫が良かったのでは?」と尋ねる新郎ウィリアムに「お金も地位にも興味は無い、私を愛してくれる夫がいれば幸福。」と答える新婦メアリー。2人の結婚は幸福に包まれているかの様に見えた。

 イングランド国王ヘンリー8世の王妃はスペインから嫁いだキャサリン・オブ・アラゴン。兄アーサーの妃としてイングランドにやってきたキャサリンはアーサーの急死により、弟であるヘンリー8世と結婚した。しかし生まれたのは王女メアリーただ一人。ヘンリーは、王妃との男子の世継ぎを諦めかけていた。
 姉妹の母レディ・エリザベスの弟ノーフォーク公爵は、男の世継ぎを産むための愛人候補を探していた。もし、男子が生まれれば、一族にとって莫大な富と権力を得るチャンス。ノーフォーク公とブーリン卿は、アンを差し出す事に。最初はとまどうアンだが、王に気に入られれば輝かしい未来が待っている、との説得に父親に従う事にする。

 


■キャスト
アン・ブーリン/ナタリー・ポートマン
メアリー・ブーリン/スカーレット・ヨハンソン
ヘンリー8世/エリック・バナ
ジョージ・ブーリン/ジム・スタージェス
トーマス・ブーリン卿/マーク・ライアンス
レディ・エリザベス・ブーリン/クリスティン・スコット・トーマス
ノーフォーク公爵/デヴィッド・モリッシー
ウィリアム・ケアリー/ベネディクト・カンバーバッチ
ヘンリー・パーシー/オリバー・コールマン
キャサリン・オブ・アラゴン/アナ・トレント
ウィリアム・スタフォード/エディ・レッドメイン
 





       

 

  王ヘンリーが鹿狩りのため、ブーリン家の邸に滞在する事が決定した。期間は2日。その美貌と知性でヘンリーを魅了すべく振舞うアン。ヘンリーはその知性と美しさに興味は抱くものの、女としての魅力に乏しいアンよりも、気立てがよくて愛らしい、新婚のメアリーに惹かれていく。

 王ヘンリーは、ブーリン家を宮中に召喚し、メアリーを愛人にしたいと申し出る。父とノーフォーク公爵は喜び、メアリーの夫も、この提案を従順に受け入れる。
  しかし、素朴な田舎娘メアリーだけは宮中生活には何の興味も抱いていなかった。一方、ヘンリーから拒絶されたアンは 、妹に対して表面的には冷静を保ちつつも、心の内では激しい嫉妬が湧き上がっていた・・・・・。

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■プロダクション・ノートより

アリソン・オーウェン(プロデューサー)
「これは、チューダー朝を舞台に繰り広げられるゴッドファーザーみたいな物語なの。セックス、対立、嫉妬、野望、名声とスキャンダル。主人公は不幸に美しく若い姉妹だけれど、全ての要素が盛り込まれている」

ジャスティン・チャドウィック(監督)
「アンとメアリーは互いに酷い仕打ちをし、2人の間にはライバル心と嫉妬が渦巻いている。しかし、究極のところ2人は姉妹なんだ。姉妹同士の関係は、他のどの関係とも違う。姉妹の間では内緒の話もできるし、他の人と話すのと全然違う口調になる。姉には完全に心を開き、正直になれる。メアリーの台詞にあるように、『一人の人間が二つに分かれたような感じ』なんだ」
「映画はアン、メアリー、ジョージの3人のブーリン家の子供たちが、田舎から宮廷へ上がり、処刑台までの人生を追っている。彼らの人生は、野望と強欲の果てに転落する。嫉みや陰謀は、現代の観客にも訴えかけるものがあるだろう---名声に固執した人々を映し出す鏡として、そして野望に熱中しすぎることへの警告としてね」
  「アンの悲劇的な運命はあまりにも有名だ。でも観客には、ひょっとしたらアンにも希望があるのかもしれない・・・と思って観て欲しい。物語の紆余曲折を一緒に感じ、アンが死刑執行を免れてくれないかと一緒に願って貰えたら嬉しいね。」


ヘンリー8世と6人の妻
ヘンリー・チューダーは、1491年、イングランド王ヘンリー7世の第二子として誕生した。1501年、兄のアーサーの急死に伴い皇太子となり、父の死により1509年にヘンリー8世として即位した。その2ヶ月後、未だ喪中の兄の妻であり、寡婦となったキャサリン・オブ・アラゴンと結婚した。キャサリンとの間には、一人娘メアリー1世しか成長しなかった。
  その後アン・ブーリンと恋に落ち、妊娠したアンと再婚。しかし産まれたのはまたもや女の子エリザベスだった。3年後、アンは国王暗殺と不義密通の反逆罪に問われ、処刑される。その翌日、ヘンリーはジェーン・シーモアと結婚。彼女は待望の男の子、後のエドワード6世を出産するが、出産後に死亡する。
  ヘンリーは、次にハンス・ホルバインの描いたアン・オブ・クレーブの肖像画に魅了され、結婚を決める。しかし実際の彼女は美しくなく、結婚はすぐに解消された。その後、アンの叔父でもあったノーフォーク公爵の姪であるキャサリン・ハワードが次なる妻となるが、2年で反逆罪で処刑される。6番目であり、最後の妻となったキャサリン・パーは、1547年に56歳のヘンリーと死別した。
  ヘンリーの死後、9歳のエドワード6世が王位を継ぐが、その統治は6年間しか続かず、エドワードの死によって幕を閉じる。エドワードの死後、もともと継承順位が低かったレディ・ジェーン・グレイが王位を継承するが、9日後にキャサリン・オブ・アラゴンの娘メアリー1世が即位を宣言。メアリー1世はプロテスタント信者を次々と処刑し、"血まみれのメアリー"と呼ばれた。メアリーの死後、アン・ブーリンの娘エリザベスが王位に就き、"ゴールデンエイジ"と呼ばれる有名な黄金時代を築き上げた。
  ヘンリーはイングランド王室史上最高のインテリであるとされ、ラテン語、スペイン語、フランス語を理解し、舞踏、馬上槍試合などスポーツにおいても優れた才能を発揮した。若くて勢いのあった彼は、フランスに侵攻し、フロドンの戦いでスコットランドを破り、教皇から"信仰の擁護者"の称号を授かるほどの熱心なカトリック信者であった。
  しかし男子の後継者に固執するあまり、キャサリン王妃との離婚および、アン・ブーリンとの再婚を巡り教皇と対立。1534年、国王史上法を発布。自らをイギリス国教会の長とすると共に、ローマ・カトリック教会から訣別。ヨーロッパのキリスト教世界を一変させ、ローマ教会の絶対権力を破壊することとなった。



 
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16世紀、イングランドの歴史を変え、ヨーロッパから世界へと影響を与えた"ある結婚"の陰に隠された2人の姉妹の秘話。
なぜ、イギリスがカトリックから決別したのかもわかる、英国を知る上で欠かせない作品。ナタリー・ポートマン、スカーレット・ヨハンソンの競演も注目。ジム・スタージェス、エディ・レッドメインらの若手の起用も作品を身近なものにしている。
『エリザベス』のプロデューサーと『クィーン』の脚本家による作品。姉アンの残した一人娘、エリザベスを描いた『エリザベス』(98)、『エリザベス:ゴールデン・エイジ』(07)を観ると歴史が繋がっていきます。 (JS)








■監督:ジャスティン・チャドウィック:監督
1968年イギリス生まれ。11歳の頃より演技を始め、1991年「ロンドン・キルズ・ミー」で映画デビュー。
1993年、ユアン・マクレガー主演のTV映画「Shakespeare Shorts」で監督デビュー。続いてTVシリーズ「The Vice」、BBCの「MI-5(イギリス諜報員)」、「Red Cap」等を監督。
2005年、チャールズ・ディケンズの古典小説「荒涼館」のTVシリーズ「Bleak House」で監督。
劇場用映画としては本作が第一回監督作品。次回作はセバスティアン・フォークス原作の「よみがえる鳥の歌」を製作中。



■スタッフ
監督:ジャスティン・チャドウィック
脚本:ピーター・モーガン
原作:フィリッパ・グレゴリー「The Other Boleyn Girl」(集英社刊)
製作:アリソン・オーウェン
製作総指揮:スコット・ルーディン デヴィッド M. トンプソン
撮影:キーラン・マクギガン
プロダクション・デザイナー:ジョン=ポール・ケリー
編集:ポール・ナイト キャロル・リトルトンA.C.E
衣装:サンディ・パウエル
音楽:ポール・カンテロン

     

 

 

   


■オフィシャルサイト
http://www.boleyn.jp/

(C) 2008 Columbia Pictures Industries, Inc. and Universal City Studios Productions LLLP and GH Three LLC. All Rights Reserved 

原題:The Other Boleyn Girl
2008年/アメリカ=イギリス合作/1時間55分/アメリカンビスタ
日本版字幕:松浦美奈
原作『THE OTHER BOLEYN GIRL(原題)』集英社文庫刊
配給:ブロードメディア・スタジオ